旅と人生の紀行文
 この作品に私の拙い紹介など必要ないとも思うが、多くの人に読んで頂ければという思いから簡単に見所を述べたい。  この作品はノンフィクションであり21世紀初頭の北海道知床での昆布採りの様子が、作者の経験を通して描かれる。  さらに作者がベトナムの山岳地帯で体験した出来事も綴られている。  いずれも目前に光景が迫ってくるような臨場感があり読者にとっては興味深い内容となっている。  それだけでも読む価値を見出せるだろう。  ただこの作品は単なる旅の紀行文には終わらない。  北海道とベトナム…  遠く離れた場所での出来事を描いた二つの紀行文は、作者の人生と重なり合って、最後はひとつの世界となってつながり合うのである。  つまりこの作品は北海道とベトナムを舞台にした紀行文であり、作者の人生の紀行文でもある。  この作品に真摯に向かい合う時、我々は自らの人生をこの紀行文に重ね合わせ、自らの紀行文を心に綴っていくに違いない。  
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倉橋さん いつもながら、丁寧な熟読と感想までありがとうございました。 「霧の山道」はすでにお読みいただいていたので、アレっと思われたでしょうが、その辺り、上手く描けていたかずっと不安だったのですが、エブリの雄、倉橋さんにお墨付きをもらえて、一安心といったところです。 今月中にまた新作をアップの予定なのでまたお時間ありましたらよろしくお願いいたします。 今度もまた紀行文ですが、アジアの母なる大河メコンを船で下るお話です。 ジュリエットさんと祐くんに結末も楽しみにしております。
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