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3人の男
鵜木曽 銘
2021/2/22 11:59
感想の続きです
さて、気になったことは、三つの掌編をまとめたもの、と考えれば十分な内容だったとは思うのですが、その外側に構造がある場合、いわば作中作ともいえる三つの掌編と外側の物語に何かしら関連があるとよりよかったな、と思った次第です。あるいはこの三つの話が彼ら自身の話だと考えられなくはないのですが、しかしそこから結末に結びつけるのには少々エネルギーが足りていないように感じました。あと、最後の描写ではテントの中には二人、となっていますね。この解釈をどうしたものかというのが少々悩みました。テントには三人いたはずなので、残りの一人については三つほどの可能性が考えられます。一、彼は生きている。二、彼はどこか違う場所で亡くなっている。三、彼は幽霊であった。二つ目の可能性については、物語の流れから考えて除外してよさそうです(雑な推測ごめんなさい)。では、まず、彼は生きていると仮定します。そうすると、彼は失敗したか、そもそも命を絶つつもりがなかったかのいずれかだとわかります。前者については最後の描写で全く言及がないので、考えなくてよさそうです(雑な推測ごめんなさい)。後者だというのは考えられます、亡くなる人間を見たいという人間は一定数存在しますから。そうすると、誰がこの一人なのか、というのが問題になります。先ほど三つの掌編と外側の物語が云々と言いましたが、ここにつながりがあると考えた場合、一つだけ浮いている話があります、つまり、二つ目の話です。というのも、この話では語り部が女性であり、また、命を絶つするほどに人生を悲観できる内容でもない、という点で他の二つと比べて浮いているのです。あまり論理的なことは言えませんでしたが、亡くならなかった一人は、つまり、二番目の話をした人物だろうか、と思いました。では三つ目の可能性です、つまり、この残された一人は幽霊だった、という説。これが一番しっくりくる気がします。というのも、命を絶とうとしている二人を誘うかのように存在している一体の幽霊、二人と一体は怪談話で盛り上がり、幽霊は二人を連れて冥界へ去ってゆく――。この光景を想像すると一番しっくりくるのかな、と思いました。テントの中には二人だった――このことが何を意味するのか、確信を持って何かを言えるわけでは無かったのですが、どういう考えだったのか、もしよろしければ聞かせていただきたいです。
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KAWANO
2021/2/23 23:03
ここまで深く読んでくれて感謝しかありません 申し訳なくはありますが実際はそれほど深い意味は無く 最後のテントに居なかった人は何者だったのか? その答えはぼかしてあります(ほっぽり投げとも言いますが) イメージではなんらかの怪異であり鵜木曽さんの考察通りです この話は本当に初期に書いたもので元々は「気に入らないネットの相手」これを文章として作った際に肉付けとして二つの話の追加と3人の語り部を足した物だったので薄っぺらくなってしまったのだと思います^^; 「物事にはそうなるに至る理由が必ずある」と言うのを出来るだけ落とし込む形が好きなのですがこれに関しては残念ながら表現できていませんでしたが 鵜木
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