【コメント】

アズマ

【物書きエッセイ続編】二年越しのウェディング私が結婚したのは二年前だ。結婚してすぐの年は忙しく、結婚式は次の年にしようと決めていた。しかし、コロナが世界で猛威を振るい、結婚式はずっと先延ばしになってしまった。忙しくても結婚式をやっておくべきだと、後悔した。去年の十一月、あることが発覚した。コロナの終息の気配は未だ見えなかったが、結婚式を断行することにした。チャンスは三月しかなかった。そこに合わせて準備を進めていった。年末年始に、コロナの感染者が急増、やむなく挙式は中止、フォトウェディングだけすることにした。大阪の私の家族も呼ぶ予定だったが、それもできず、東京の妻の家族だけを呼ぶことにした。計画からは大きく変わったが、フォトウェディングを行うことができた。千葉県のホテルの中にある教会、曇った空から淡い光が射し込んでいた。バージンロードには白と緑の花が飾られ、履き慣れない靴で歩くと足音がチャペル内に響く。妻は純白のウェディングドレスに包まれていた。普段はろくに化粧などしない妻、いつもと違う彼女の姿にドキリとする。こちらを見てニッと笑う顔は、あまりにまぶしかった。少しひいき目な意見になってしまうかもしれないが、どう考えたって妻は世界一きれいだ。後日、私のスマートフォンの待ち受け画面は、その日の写真になっていた。普段は風景の写真しか設定しない私に、珍しいこともあるもんだと妻が言う。待ち受けには、天井の高いチャペルが写っている。そこには、制服姿の私と、ドレス姿の妻、そしてそのお腹に宿った新しい命が写っていた。

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