『ゾンビ続きです』  「待て、松本ッ!」  セーマグの制止は聞こえていたが、翼ちゃんがバロン・サムディの手に落ちてしまった今、悠長にジャッキーで話し込んでいる時間はないのだ。席を蹴って立ち上がると、僕の腕をスイカさんがガシッと握った。  「松本、あんたも知っていたの? なんでそんな大事な事を黙っていたのよ!」  ドン、と肩をつかれて、椅子に突き飛ばされるように座ってしまう。  椅子に背中を打ち付けて痛んだが、スイカさんを責める気にはなれない。友達を危険にさらしているのに情報を隠していたのは紛れもなく、僕なのだ。  セーマグとの協定があったから、羽木やスイカさん、おるちゃんが協力してくれなくなることが怖かったから。だけどそんなことは全て、都合のいい言い訳だ。皆の安全を考えたら、せめて昨日の時点で話すべきだったのだ。  スイカさんの体から怒りのマグマがあふれ出している。  「ご、めん……」  僕は臆病者だ。それに卑怯だ。力なく頭が垂れた。  店内のやけにあかるい店内放送がひとくさり、僕の頭の上を流れていく。  やがて、下を向いている僕の頭を羽木がペチッと叩いた。痛くはなかった。そして叩いたその手を、今度はそっと頭の上に落として、左右に揺さぶる。  「そうだぞ。なんで言わなかったんだよ。だけど、松本にもきっと何か言えない事情があったんだろ? 翼ちゃんがいなくなったのも急だったから、話す機会がなかっただけかもしれないし。だから……、もういいよ。気にするな」  怒っていたはずの羽木が、スイカさんの怒りのマグマから僕をかばってくれる。しかし僕には羽木に守ってもらう権利はない。セーマグの秘密を黙っていたばかりか、羽木をずっとだましていたのだから。
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秋月さん こんばんは➰ ゾンビの続きは大丈夫ですから、お気になさらずに! その代わりホラー作品を本棚に入れました(*´∀`)
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こんばんは~(*´ー`*) ゴールデンウィークはのんびりなさっていらっしゃるのでしょうか? フミさん、ゾンビをコメントも付けず送りつけてしまってすみません💦 では、再度お言葉に甘えまして…。 ホラーを本棚に入れてくださってありがとうございます。 でもフミさんのような優しい方にホラーを読ませてしまっていいものか…という気持ちもありつつ…💦💦💦   読んでいただけるのはとても嬉しいです(*´▽`*) でも苦手だな、読みにくいなと思われましたら、どうぞ遠慮なく、そーっと閉じてくださいね! 通勤電車で読んでくださっているとことでしたから、朝からブルーな気分にさせては申し訳ないですから(*^^*
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