仁科佐和子

とんでもない設定を力業で認めさせる書き方がすごい。
 冒頭からビックリさせられる設定の数々なのに、それがまかり通る世界観。  くどくどと説明するのではなく、あくまでも飄々と運命を受け入れる先輩の、軽いタッチの語り口で真実が明らかになっていくことにより、読み手は自然にその真実を受け入れざるを得なくなる。  しかし、素直に受け入れるには残酷であまりに辛い。 その辛さを行動で示す主人公に共感が止まなくなる。  切ない中に一縷の救いも見えるラストに泣かされた。
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