西 東

タイトルから感じる儚さ。
寂しく侘しいと感じました。 自分の感覚では、普通だったら「母の花火」とか、「母は花火になった」などとタイトルを付けちゃうんだろうなと思います。 それが「母花火」と、すとんと余計なものを削ぎ落として付けられている為に目を惹きつけますね。 冒頭からある父の花火の話から、極限下に母子だけで生きる厳しさと、少しずつおかしくなっている世間の様子がうそ寒く、設定の死体が花火になるという部分が余計に命の営みの儚さを感じさせます。 麻痺していく心、壊れてしまう心が描写される中にある細やかな優しさや思い遣りの心が、人とはどう生きるべきなのかなと考えさせられもします。 戦争しないのが一番良いのですけれど。 故郷の色だったの文に、この後、故郷が復興した時にこの兄弟はなにを思うのだろうと気にもなりました。
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つたない作品に、このような素晴らしいレビューをつけてくださって本当にありがとうございます m(_ _)m 貴重な時間を割いていただけて、心から嬉しく思います。
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