Regen

わが背子と二人見ませば幾許か花火待つ夜も嬉しからまし
はじまりは夏の朝。 温度差のある二人の気持ち。 離ればなれで過ごす淋しさを訴える幾ヶ瀬さん。 羽を伸ばして過ごせる嬉しさを隠せない有夏さん。 それでも、有夏さんは一人の楽しい時間を満喫する中で、高校時代の馴れ初めなど、つい幾ヶ瀬さんのことを思い出してしまいます。 五感に響く情景描写が印象的です。有夏さんの心の揺れが伝わってきます。 例えば、「聴覚」。ゲームの音楽。コップの氷の音。エアコンの運転音。蝉の声。ここにはいない、あの人の声。 「嗅覚」は、顔をうずめた枕に残る、あの人の香り。 「味覚」は、小学生の夢の食卓や高校時代のお弁当。 「触覚」は、冒頭の二人のやりとり。(ちなみに、クライマックスは、本編カラフルの二人のラスト・シーンだと思います!) そして「視覚」は、空を彩る花火を目にした有夏さんの心情。 一緒に花火を見たい、隣にいてほしいと、幾ヶ瀬さんを想う有夏さん。 ここで、朝の別れ時の温度差が縮まったにちがいありません。 同じものを一緒に見て、感動を分かち合える人がすぐ隣にいるのは幸せなことだと、私も心から思います。 これからも仲睦まじく、楽しく笑いながら過ごしている二人の日々を(そして、その様子を壁になって見られることを)願ってやみません。 この夏、二人が仲良く花火を見に行けますように。 *以下は私信です* 花火を見て幾ヶ瀬さんへの恋心を自覚し、言葉で伝えようとする有夏さんの姿にときめいたのをきっかけに、私の「乙女の五七五」は始まりました。 自分のキャラに対しては妄想力が働かないのですが、幾ヶ瀬さんと有夏さんのことを考えると、楽しくて止まらなくなってしまうのは、愛すべき二人の幸せそうな姿を思い描くと、私も幸せな気持ちになるからです。 実は今も、 「幾ヶ瀬さんは濃紺地に細い縦縞の浴衣で、片挟みした帯の背中に団扇を差し込んで小粋に。有夏さんは生成り地で同系色の麻の葉模様の浴衣に兵児帯で、屋台で買ったお面を首の後ろにかけて、右手にわたあめ、左手にりんごあめ、それから、イカ焼きも持って…ああ、可愛すぎる! なんてお似合いの二人なの!!」 などと、二人が浴衣を着て花火大会に行く様子を思い浮かべながら書いています。 これからも二人への妄想愛を胸に抱きつつ、『隣の2人…』をずっと応援しています。
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愛が溢れる素敵な…素敵すぎるご感想を頂戴し、感無量でございます。 夏の情緒を感じるお歌からはじまり、「五感」のお話、乙女心がキラキラ輝く私信(お手紙)まで。 一文一文からRegenさまの豊かな語彙と、深い思いやりがにじみ出ているようで感激いたしました。 ありがとうございます。 また、ページコメントに頂戴しております詩情豊かな「乙女の五七五」も、拙作には勿体ない深い味わいが感じられ、いつも胸ときめかせております。 重ねて、心からのお礼を。 浴衣でお祭りは(腐)乙女の妄想の臨界点ですよね。いつの日か、Regenさまが書いてくださったような花火大会のシーンが書けたらなぁ、なんて思いつつ…変なTシ
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