わらべ

「へぇ!知らなかった!仲良いの?」 「普通じゃない?年々生意気になっていくからムカつくけど」 「あは、仲良いんだねぇ」 それから最近私の彼氏がどうだって話とか、夏には旅行に行きたいな、と他愛ない話をした。 「今週会える?」 しばらくして彼女から連絡が来た。 いつもと特に変わりない遊びのお誘いの連絡だ。 「ごめん、甥っ子が棚運んでくれって言うから会えないかも……夜はどう?用事終わらせておくからご飯でも!」 断ることが残念で代案を出してそう答えた。 「じゃあ、私も運ぶの手伝うよ!」 彼女からの提案はもっともっといいものだった。 「ありがとう〜。手伝わせちゃってごめんね」 「ううん、大丈夫だよ。甥っ子くんとも会ってみたかったし!やっぱりちょっと似てるなぁ」 「え、嘘。やめてくださいよ。母親に似てるっていうのもきついのにおばさんに似てるなんて」 「おばさんって呼ぶなって言ってんじゃん!お姉ちゃんにちくるぞ」 「そういうウザ絡みやめてください」 「甥のくせに生意気だぞ」 甥と親友の組み合わせはなんだか変な気がしたが、二人は気が合ったらしく仲良さそうに笑って話していた。 その後も二人が連絡をとっていると知ったのはしばらく経ってからだ。 「彼、とっても面白くて優しくていい人よ。ふふ、聞いてよ。この間もね……」 彼女がそう嬉しそうに語るのを聞いて、二人が随分と親密な間柄になっていると気付いた。 身内と親友が仲良いのは違和感もあるが喜ばしいことだと思えた。 中略 名前決めた方が良かったなと思った。 「彼と結婚しようと思うの。親友の貴方には一番最初に伝えようと思って……」 思わず紅茶を吹き出しそうになった。 「え、おめでとう!うわー、なんか変な感じするね。でも、二人ともすごく仲良さそうだし、上手くやってるなとは思ってたから……」 「ありがとう!式には来てね。私の親友枠でね!」 ふふふ、と気恥ずかしそうに彼女は笑ってた。 結婚式は素晴らしかった。親友の美しい花嫁姿に甥の立派に成長した姿。涙が止まらなかった。
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彼女が結婚してしばらく経った後、二人でカフェに行った。 以前と変わらないことだけれど、もう親友ではなく親戚という関係に変わったことだけが不思議な感覚だった。 「親友が身内になるのって嬉しいけど変な感じするね」 「そうかな?でもこれでずっと一緒だね。家族としてよろしくね」 っていうなんとなくの違和感の話を書きたかったんですけどこれ甥じゃなくて弟の方が良かったのではと気付いた。 むしろなぜ甥で書いたんだ…… 貴女の家族になりたいのっていう話でした終わり みすった。 気が向いたらもう少しちゃんと書く

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