潜水艦7号

何を探していたのか
本作は同作者の「未来への手紙」を改稿されたものです。なのでストーリーの大筋は同じなのですが……しかしながら今回の改稿によって、まったく違った側面から描かれているのです。まるで今回の「探しもの」というテーマに合わせて新作されたかのように。それも「ああこのストーリーはむしろ、こっちの方が合っていたのでは?」と思わせるほどでした。これはもう、流石の筆力と言わざるを得ません。 作中の登場人物達は、それぞれ違うものを探しています。 ある人は「手紙の届け先となる人」を。ある人は人生の伴侶を。ですが、その根底にある一つの心理は共通していると言えるのではないでしょうか。 それは掛け替えのないのない今という時間、そして未来への平和。 それぞれの人間がどういう手段でどう表現をするにしても、その想いは引き継がれていくのでしょう。 かつて命の奪い合いをした者同士の子孫が結ばれるラストは、そうした想いの結実を見るように感じます。 「大事なものは眼には見えない」とサンテグジュペリは言いました。なのでどうしても手元にあると軽んじられてしまう。 この大きな代償を支払った「探しもの」が永遠に手元に残るよう願って止みません。 感動の作品をありがとうございます。
2件・1件
潜水艦7号さん 本作を最後までお読み頂いて、こんな素晴らしいレビューを戴きまして、本当に嬉しいです。 前作から『探しもの』のお題に合う様に改訂している点も、評価して頂いて、感謝しております。 もし、この物語が少しでも皆さんと心に響いたとしたら、作者として最高の幸せです。 本当にありがとう、潜水艦7号さん! みぐ🐧
1件

/1ページ

1件