三人の想いは
 幼い頃の淡くて苦い思い出と、年月を経た郷愁にも似た恋心に向き合う現在を共存させた、ノスタルジックヒューマンドラマ。切ない短編小説です。  若年期に不意に訪れた初恋との別れ、続く癒えぬ喪失感の描写はどこか俯瞰的で、その描き方で鈍痛のような心の擦れ方を表していました。  その後に知る真相と新たな出会いで、主人公達が受容していく様は、本当に切ない場面でした。ラストシーンで描かれた場面には、体温が感じられたようでした。  私の大好きなアニメ作品を彷彿とさせるストーリーに、自然な感動をおぼえました。三人の想いが整理、結実し、その後どうか穏やかであって欲しい。そんな願いを持ち読了。んん。良き。  素敵な作品です。

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