役割があって
高校の演劇部を舞台に、初舞台に挑む直前の新人女優の葛藤と苦悩を中心に据えて、情熱と人間模様を瑞々しく描いた、青春短編小説。 憧れの演劇部に入部し、一年生ながら念願の出演を掴み取った主人公。重要な役柄を与えられ、キャストとしてのプライドを持ちながらも、想いとは裏腹に力を発揮できない。思わず表に出てしまう苛立ちは周囲に溢れてしまいますが、そこで支えられる仲間の情熱に触れ、彼女が変化・成長していく姿が垣間見れます。その意地らしくも素直で未成熟な感情に瑞々しい「青春」を感じて、読みながら悶えてしまいました。すごく、いい! 人には役割があって、その役割には優劣は無く、一つの完成形を目指すカンパニーのあるべき姿が正しく描かれています。その部内、登場人物一人ひとりのキャラの個性が際立っていて、とても惹き込まれました。 とても面白かったです。
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