みやこわすれ

これぞ究極の復讐劇
しっかりとした構成、丁寧かつ明瞭簡潔な表現。 謎が解読されていく過程と登場人物たちの心情描写。 納得の展開に一気読みでした。 自殺した男の霊は、自分の指を探しながら、指を持ち去った犯人も探していたのでしょう。スッキリと腑に落ちるラストで良かったです。 これは余談ですが、最近人気の「呪術廻戦」というアニメにもなった漫画の中で、主人公が、怪談話でも著名な「リョウメンスクナ」の指を一本、偶然にも飲み込んでしまったことで、最強最恐の力を得るとの件(くだり)があります。 (※この漫画の中では、「リョウメンスクナ」は、最恐にして最高の力を持つ「妖怪」という設定になっています。漫画の作者は、「リョウメンスクナ」の怪談話が好きなのかもしれません。確かに、これ以上ないというくらい不気味な怖い話ではあります。マニアには、人気ですしね。) 話が横道にそれました。失礼しました。 要するに、指は、各臓器とは違い、露出している身体の中で最も頻繁に使う箇所であり、どの指であっても、痛みを感じやすく、傷自体がどんなに小さくでも、たいそう気になるものです。 よもや、自殺した会社員風の男性は、普段から指を使う仕事をしていたのかもしれませんね。 ご遺体とわかっていながらそんな酷い扱いをするなんて、非常識かつ悪趣味です。言語道断。殺されても当たり前と思ってしまいました。
1件・1件
いつもながらご丁寧なレビューと、身に余る嬉しいお言葉の数々、誠に有難うございました。また、ご返事が遅れまして申し訳ありません。 リョウメンスクナは民俗学の中でも異彩を放つと言うか、興味の尽きない存在ですよね。容貌の特異も去ることながら、その正体は、単なる異形なのか、更には中央政府の侵攻から土地を守ろうとした土着の英雄説とか、色んな解釈があるようで、更にはギリシャ神話にも似たような類型が見られるとか、なかなかに奥深い存在ですね。もしも、これに手をつけるとなると相当なエネルギーを要する長編を書かなければならないでしょうが、多分小生は一生やらないと思いますがf^_^;。 本作や書いてて思ったのは、や

/1ページ

1件