柚木ハッカ

ストーリーもさることながら、登場人物の魅力をご堪能あれ!
東北のヤクザの高無ノゾムの一代記というか成長していく様を立て続けに起きていく事件を通して描かれる。 最初はヤクザになるしか道はなかった高無だったが、竹田に導かれるように死線を潜り抜けのし上がっていく。 裏切りに裏切りを重ね、それを出し抜いていくストーリー展開に目が離せない。それだけでも十分に面白いのだが、登場人物がまたそれに深みを与えていく。 登場人物は全くどいつもこいつも…と言いたくなるような奴らばかりなのだが、不思議と憎めない。裏切りを重ねても何となくだろうなと苦笑いしてしまうようなキャラクターばかりで、とても人間臭いのだ。聖人君子など誰一人として出てこないが、それもまたリアルな感じがした。 竹田も松山も金山も真山も上田も。そしてまたブライアンですらふと町ですれ違いそうな気すらしてしまう。強がってみたり騙してみたり自分のプラスになることしか考えていないのかと思えば、急に相手のことを心配してみたり弱音を滲ませたりする。そこが堪らなくキュンとさせるのだ。 ヤクザという特殊な世界でなかなかとっつき難い部分もあるかもしれないが、一度飛び込むとまさに沼。人間臭いリアリティとストーリー展開の素晴らしさに魅了されるだろうう。 またアクションや銃の描写は素晴らしく、ハードボイルド好きには堪らない一作である。
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丁寧で熱い感想、ありがとうございます✨ ここまで作品を気に入っていただいて感謝感激であります😂 高無、竹田、松山、金山、真山、上田、そしてブライアンなどなど、登場人物たちをリアルに感じてもらえて嬉しいです。この作品を書いて本当に良かった。 高無の冒険に長い間お付き合いいただいて本当にありがとうございました😄
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