鷹取 はるな

『頭』とは、けして足にはなれぬ存在。
(以下、93~95話を読んでの感想となります) 「頭を足にするな」ということわざがあります。 この箇所を読んで真っ先に思い浮かんだのがその言葉でした。 ここでは『あたま』ではなく、敢えて『かしら』と読んで頂きたいです。 恩というよりは借りがある蝮に再び迫られた鬼丸は、渋々ながらも彼を迎え入れます。 それにしても蝮が山鬼を訪れたのが捺米が里へと出ていた時だったのは、全くたまたま、――単なる偶然だったのでしょうか? 私にはとてもそうとは思えませんでした。 相も変わらず『咬み癖』が治っていない蝮。 『愛咬』という愛情表現もあることにはあるのですが、彼の場合は『愛』がまるっきり伴っておりません。 それが徐々に含まれてくるようになるのは、『頭』たる鬼丸の『足』蹴りが見事に決まってからです。 ――頭は下に置かれ、踏みつけられているのをけして良しとはしないものです。 この後、鬼丸がどう蝮を躾けて、その牙どころかすっかりと骨抜きしたのかは本文をお読み頂き確かめてみてください。 蝮と同じくメロメロになること請け合いです。 さて、場面は一転致します。 鬼丸が捺米と新たな『頭』としての名前を決めるべく話し合っております。 この、真剣な様でどこか微笑ましいやり取りは、気心を知り尽くしただろう二人だからこそ交わせるものです。 個人的には、蝮との情事よりも胸が高鳴りときめいてしまいました。 鬼丸が山鬼の『頭』としての新たな道を踏み出すのと時同じくして、捺米も又自分の道を歩まねばなりません。 鬼丸の兄者としてではなく、『頭』を支える参謀として生きてゆく道を・・・・・・ 捺米は鬼丸、――いや夜叉鬼へと証を手渡した時にそう覚悟したのではないかと、私は感じました。 これからは皆の前でおいそれと、『頭』の頭を「思い切りくしゃくしゃにするまで撫でた」りは出来ないでしょう。 デコピンも又然り。 そう思うと、とても清々しく晴れやかな場面にもかかわらず、同じくらいに切なさと哀しさとも覚えました。
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鷹取様……私このレビューを見て、うるうるしてしまいました。 すごく……すごく良い……(語彙力すみません😣💦⤵️)このお話をこんなに魅力的に解説してくださって、本当に嬉しいです ( ;∀;) 前回も同じ事を思ったのですが、鷹取さん、すごい…… この一言につきます。 率直な感想で説明不足かもしれませんが、とても心揺さぶられるレビューです。本当に、本当にありがとうございましたm(__)m お願いして良かったと、いつも思います。 お忙しいのにこんなに丁寧に洒落もきかせながら書いていただいて感無量です。 甘味処鷹取万歳!\(^-^)/
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あ、誤解されぬように……率直な感想で説明不足かも……という部分は、私の『鷹取様へのレビューへの感想』ということです(>_<)度々語彙力すみません😣💦⤵️
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