鷹取 はるな

語られることがけしてないことが語ること
本作品の主人公であり語り手でもある蓮司は、転校していって以来顔を合わせていなかった友達の月夜と実に十二年振りに再会します。 そのせいだからなのか、やたらと饒舌です。 ――まぁ、語り手がしゃべらないと文字通り『お話にならない』ので、当然と言えば当然なのですが。 応じる月夜も又、見た目こそガラッと変わりましたが子供の頃と同じノリです。 『ああ言えばこう言う』という言葉通り、蓮司との軽快なやり取りはいかにも気心が知れた昔馴染み同士のものです。 二人は昔よく対戦していた(その数何と約五百戦!)カードゲームに興じ、その頃には飲めなかった酒を酌み交わします。 その辺りから少しずつ当時の思い出が、今の互いの『想い』がポロリポロリとこぼれ出してきます。 この再会の日に月夜が蓮司へと語ったのは全て本心、本音だったのでしょう。 嘘などは吐いていないはずです。 しかし、全てを語ってもいなかったはずです。 月夜が蓮司に語りたかった、伝えたかったことは一体何だったのか――。 それを知るのは蓮司ただ一人切りです。 ラスト近くの言葉少ない彼の独白が、――告白がひたすら切なかったです。
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ご感想ありがとうございます、鷹取様! まさに“語られない真実”をテーマにした作品だったわけですが、それをうまく伝えられたかどうかあまり自信がなく……ちゃんと伝わったようで本当に良かったです。 月夜はすべて本心を語ったものの、一番伝えたかったことは口で言うことができなかった。大切な友達だからこそ、伝えることのできない想いもある。 汲み取っていただけて本当に嬉しいです。改めまして、素敵なご感想ありがとうございました!
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ラストの言葉の無さが逆に物語っている様に感じられました。 全くの的外れでなくて、本当によかったです(シミジミ) 月夜の手紙の内容を想像(妄想?)するだけで、三日三晩は滾りそうです。 こちらこそ、とても素敵な作品に感想を書かせて頂きありがとうございました<(_ _)>
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レビューが有って良かった。 読後、若干もやもや感が有ったのですが、解説を見て何となく察しました。
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ありがとうございます<(_ _)> 少しでも、感想を書かせて頂く作品の足しになればいいと思っております。 そう言って頂けて冥利に尽きます。
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