六葉 雅

2歳になった雪乃は女の子なのに落ち着きがない。 土曜日の午後、倫也は仕事、子供たちに昼食を食べさせ、雪乃は子供の遊びスペースへ入れ片付けをしていると、光太郎がエプロンの裾を引っ張った。 どうしたのかと聞くと、遊びスペースに雪乃がいないと言う。 慌てて二人で探すと、何処からか聞こえる「きれーねー」の声。 「本当だ。きらきらだね。」 連太郎の声に一緒にいると分かるとホッとした。 寝室のドアを光太郎と二人でそっと開けると、ドレッサーの前で座りこむ二人。 雪乃がパタンと開けるタイプの扉を開き、小さく小分けされた引き出しを引っ張り出して中身を床に広げた様だ。 「しまいな?怒られるよ?」 「いや!きらきらなの!!」 後ろから光太郎と静かに近付いた。 「こら!」 ビクッとしながらも上目で哀しそうな目を向けられて叱れなくなる。 「まま、これ、きらきらなの!」 雪乃の手に小さな真珠が20センチ間隔で細い銀糸で繋がれたネックレスがあった。 「パパがくれたの。ママの宝物よ。」 「たきゃらもの?」 「そうよ。パパがママの涙を集めてくれたの。凄いでしょ?」 「ぱぱ、しゅごい。ゆきもないちゃらきらきら?」 「ダメだよ、雪はわらってないと!だよね?連にいちゃん。」 「うん!雪はわらってて?にこにこの雪がみんなすきだよ?」 デレデレの兄二人に言われて雪もご満悦でにこにこしていた。 「泣くだけじゃだめなの。沢山の人に会って沢山泣いて、怒って笑って、全部許して。そうして雪乃にもいつかパパみたいにキラキラをくれる人と会えるといいね。」 「ぱぱにもらう!!」 それは、どうかな、と苦笑して倫子は雪乃を抱き上げる。 「ママはここを片付けるから、連太郎、光太郎、雪乃と遊んでてくれる。」 「はぁい。」  「いいよー。」 「ちかたないからあちょんであげる。」 雪乃の言葉に三人で笑ってから遊びスペースに雪乃を運んだ。 いつかあの「キラキラ」は雪乃にと考えながら散らかされたアクセサリーを片付けた。
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わ~❗嬉しい😍 早速に素敵なショートストーリー ありがとうございます🎵 短時間でこんなに素敵なショートストーリー書けるなんて 素晴らしい👏👏👏 感激です😌💓 お母さんのドレッサー キラキラいっぱいですよね✨ 幼い頃こっそりドレッサー開けて お化粧触ったりキラキラ見たり 同じ様な事してました❗ 情景が目に浮かびます✨ いつか雪ちゃんにもキラキラを くれる素敵な男性が現れる事でしょうね 2人の兄ナイト&倫也さんが ギラギラ目を光らせて 「認めないぞ」とか牽制しちゃったりして それを咎める倫子さんだったり… 妄想祭りが始まっちゃいました😂 このお話は公開しないのですか? 是非是非可愛
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どんどん長くなりそうで、ノートに書いてから余分をカットして出来るだけ短く可愛くまとめてみました。 感謝の特典なので公開はここ、誰でもみれますし(笑) 機会があれば落ち着いたこのシーンも含めて何か書けたら良いかなとは思います。 今に所、取り急ぎメモして考えたショートですので…おまけ感たっぷりで申し訳ありません。 それでも喜んでもらえて嬉しいです😊 いつも素早いスタンプ、コメント、沢山のスターをありがとうございます。読んで下さる皆さんがいて書ける力が湧きます。 これからもよろしくお願いします😄
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