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抗う二人に祝福を
鷹取 はるな
2021/9/4 13:04
『本能』という名の激流、――否、奔流に立ち向かう二人。
以前、私は他の方のオメガバース作品の感想を書かせて頂いた際に、「オメガバース」の肝、核はこの現実世界以上に「自分ではどうすることも出来ない世界で、どうやって自分として生きるか?」だと記しました。 本作品を拝読し、その考えは確固たるものになりました。 本作品の主人公アーサーが名家に生まれたαであることも兄の死も、――そして、それに伴って跡継ぎを作らなければならないことも全て、「自分ではどうすることも出来ない」事柄です。 大河をとうとうと流れ続ける水をせき止められないのと全く同じことです。 しかし、彼は本来子供を作るためだけに与えられたはずのΩのマリオンをそれらと一緒くたにしなかった。 同じになどしたくなかった――。 そう考えてからのアーサーの行動と、そんなアーサーに応えたマリオンの態度とは本文をお読みになって確かめてみてください。 優秀な兄に一方的に抱いていた劣等感の強さだけはそのままに、マリオンへと向かうアーサーの想いは真摯かつ真剣そのものです。 ラスト近くにアーサーがマリオンへと語る決意がそれを表わしている様に感じられました。 マリオンにもアーサーの想いは確かに伝わりました。 大いなる流れに抗い、逆らうことはけして容易くありません。 たった独りでは無理でも二人でならば、アーサーとマリオンとでならばそれも叶うかも知れない・・・・・・ いや、必ずや叶えるだろうと信じさせてくれる清々しい力に満ちたラストでした。 微力ながら、私からも二人の未来に祝福を贈りたいです。
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はじめアキラ@「もう一度、落下」発売中
2021/9/4 13:32
素敵なご感想ありがとうございます!オメガバースって、「強大な運命に抗う」というテーマでも使える設定だと思ってるんですよね。ただ子どもを作るとか、同性愛が成立するとか、運命の番というだけではなくて。 少年たちが信念を持って運命に立ち向かう様を読み取っていただけたならこれ以上なく嬉しいです!本当にありがとうございます!
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鷹取 はるな
2021/9/4 13:46
わざわざありがとうございます! どうしてもヒートが注目されがちですよね。 私も運命にもがき受けて立つ様な人々の話が好きです。 こちらこそ、どうもありがとうございました<(_ _)>
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