矢澤しげよし

主人公の辛い葛藤はあれど最終的には心暖まる優しい物語でした。
 この作品を読んでみて、物語の展開の仕方 がとても上手だなと感じました。主人公が華麗に敵を倒すだけの話ではなく、色んな登場人物の心の葛藤を描いていた物語だったと思います。  特に主人公のオルコアは王の血筋が流れていて幼少の頃から偉大なる北の魔女のもとで修行をしていたために高潔な精神と魔術師としての強い実力を併せ持つ完璧な青年でしたが、だからこそ己自身が望む意志力が欠如しているという作者の指摘は見事だと思いました。そういった意味では『愛の氷像』のエピソードはとても印象に残る話でした。  そこからオルコアが成長をしていくのが読んでわかるので一気に物語としての面白さが溢れ出てきます。もちろん、魅力的なのはオルコアだけでなく、デュー君、カレン、エディスなどもキャラクターとして素敵に描かれていました。
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著者の古橋童子です。 この作品のテーマを正確につかみ取って読んでくださって、大変ありがたく思います。 心暖まるレビューに感謝いたします。

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