旅のどこやらで虫がなく
幕末の京都。 殺伐とした江戸時代末期の世の中で、剣と愛を貫いたひとりの剣士の“生き様”を描いた短編時代小説です。 主人公、会津藩士“時次郎”が京都で出会った親友と想い人は、その時代らしい生き方で時次郎の前に現れます。ひたすらにまっすぐな時次郎が、そのふたりとのふれあいの中で得た感情はきっと人生で最も大きいふたつの大切な思いだったはずです。 ほとんど同時に得たそれらが、彼にとって信念や自分の人生を超える存在であったことをなにより尊く感じ、行動に移したことで、物語は大きく動くのですが、読者がその悲劇に胸を打たれ感動するのは、時次郎の“ひたむきさ”がとにかくまっすぐに描かれていたためと思いました。 歴史の表舞台では現れなかった、あるひとりの脱藩浪士のエピソード。 フィクションではありますが、歴史上の出来事や人物を絡めて描かれていて、リアリティある世界観の中で躍動する物語に、まるで時代劇の映画を観ているような感覚で読了しました。 読みやすさもあり、時代小説に不慣れな私にも、楽しく読むことができました。 とても面白かったです。 (投稿協力/雪野かぜ)
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うわー!とこさーん! 大変な時にこんな素敵なレビューを書いていただき、ありがとうございます! ホント感激です〜😭

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