吉田安寿

トピックへのご参加、ありがとうございました
 最後まで拝読しました。 亡くなった人は天国へ行く前に天使と会い、生前流した涙と記憶の入った壺を売らなくてはならない──これは冒頭にも引用されているように、『詩篇』の登場人物ダビデが自らの不屈の信仰精神について語った内容からインスパイアされたものなのですね。ミッション系スクール出身のわたくし、久方ぶりに聖書を引っ張り出しました(笑) 作者様はクリスチャンでいらっしゃるのでしょうか?   オムニバス形式の作品ですが、由美さんと祥哉さんのラブストーリーを主軸として、その他にも亡くなった人々の悲しい人生も描かれています。これがなかなかダークというか重いテーマであり、時には読み進めるのが辛い場面もありましたが、全編を通して読み応えがありました。涙にまつわる話なのでどうしても悲しい内容になってしまいますが、最後は時空を超えた純愛で締めくくられ、気持ちの良い読後感でした。  以下気になった点です。 各話とも一人称で独白するように書かれていますが、やや言葉が多過ぎる印象を受けました。これは私もよくやってしまうのですが、ノッて書いている時ほどそうなりがちです。 例えばP4の「何度もこの説明をしてきたが~天使だからではない気がする」の所ですが、「何度も」が重複していますので、ここは「何度しても飽きない」という一文にまとめれば、天使が楽しんでいる様子も十分に伝わるかと思います。  また、表現に用いる言葉の選択にもったいなさを感じる点が幾つかありました。一例を挙げますとP4の「どんな宝石にも劣ることはありません」のところは、涙の価値を伝えるためでしたら「どんな宝石にも勝るものなのです」のほうがふさわしいかな、と思います。自分が書いたものだとどうしても気付きにくいものですが、書き上げたら一旦離れて時間を置き、頭の中をリセットしてから読み返してみられると良いと思います。  死という普遍的なテーマということもあり、興味深く拝読しました。私が死んだら涙はどのくらい売るだろう? 失いたくない記憶はあるかな? といろいろ考えましたし、あえて重いテーマに挑まれた作者様のチャレンジ精神にも感服いたしました。 ありがとうございました!
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レビューありがとうございます! 小さい頃に読んだ絵本か何かのこういう一節が頭に残っていて、改めて調べると実は聖書から来ていた、という訳でした。私は全くクリスチャンではないです。笑 丁寧なアドバイスもくださり、ありがとうございます!参考にさせて頂きます。そうですよね、何度読み返しても未だにボロが出てきてその都度修正しています笑 読後に読者様にそうやって考えて頂けるのはまさに目標で、書き手冥利に尽きます、、 ご丁寧にありがとうございました!!
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こちらこそ、ご丁寧にありがとうございます。 そうでしたか。絵本からのインスピレーションだったのですね。 すみません、お節介ついでにレビューでは字数の関係で割愛した点をお伝えしておきます。 P4の「髪が真っ白に染まった」という表現ですが、年老いたことによる白髪でしたら「染まった」はそぐわないかな、と思いました。 同じくP4の「逆さにしてみたりするが~一滴たりとも溢れることはない」も、逆さにした場合は「零れる」の方が良いかな、と思います。 P11で「明日、執行らしい」と話していますが、これは死刑のことでよろしいでしょうか? 日本では死刑の執行は執行当日まで本人に知らされることはないと記憶
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