雫倉紗凡

一生忘れたくない感動
読了後、感想を書こう書こうと思っても言葉より先に感情が溢れてしまって、一晩経って少し落ち着いた今、改めて画面に向かっています。 児童文学らしい平易な語彙で構成されつつも、美しい情景やなずなの心の動き、音楽の表情、登場人物の声がありありと脳内で再生される巧みな描写。 私は吹奏楽は全くの未経験ですが、専門用語の解説もわかりやすくてすっと引き込まれ、「吹奏楽やってみたい!」という気持ちにさせられました。 なによりも私を夢中にさせたのは、なずなと椎名くんのほっこり尊い関係です。 椎名くんのそっと包み込むような言葉の一つひとつでなずなが勇気を取り戻していく過程に、何度も温かい気持ちになりました。 冒頭の椎名くんの演奏、ドキドキの買い出し、なずなが一人で弾いたソロパート、部長さんの大きなマル……いくら挙げてもキリがないくらいに好きなシーンばかりですが、特に、椎名くんがなずなの教室に来て声をかけてくれた瞬間は、自分の感情を認識するより先に涙がこぼれ落ちていました。 そして、最後の二人でワルツを踊るシーン。この上なくかわいいハッピーエンドに、少しの間物語の世界から意識が戻らなくなりました。 かわいくて、温かくて、尊くて、やさしくて、読み手に勇気をくれる、珠玉の青春小説でした。 一生忘れたくない感動を味わえました。素晴らしい物語をありがとうございました。
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感想を読んで、じーんとかみしめてしまいました。胸に残るものがあったなら、これ以上嬉しいことはありません。吹奏楽のよさが伝わるといいな、やさしい話にしたいな、と思って書いたのでそう言ってもらえて光栄です! 本当に、ありがとうございます☺️✨
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