鷹取 はるな

独白が行く着く先で待ち受けているのは――。
本作品の感想を書くにあたり、作者様からは「プロポーズされた卑屈な人間が愚痴ります」とのご説明を頂きました。 私は常々、『感想』とは文字通りに「感じ、想ったこと」だと捉えています。 ――それ故に正直に白状致します。 読書時間設定はたったの3分間、わずか1397文字であったとしても、そういう内容の作品とはお付き合いしたくないなぁ・・・・・・というのがいの一番真っ先に「感じた」ことでした。 作者様の、まさにご説明通りに卑屈な調子で始まった惚気(のろけ)話は早々に愚痴へと化します。 そしてそれも又、違うものになっていきます。 語り口調も併せるようにして、次第に熱を帯びたものへと変じていきます。 その、急な坂で不意に突き飛ばされ転がり落ちるが如き速度感は、是非ともお読みになってお確かめください。 グイグイと引きずられていってしまいました。 ようやく止まった先で語られる『告白』には胸を、虚を突かれること請け合いです。 私が全くそうだったので、断言致します。
1件

この投稿に対するコメントはありません