佐倉さく

幻想的な詩の中にあるような現実
 就職活動。  それまでの学生という、なにか社会からは隔離されたような特別な時間はそのうち終わりを迎えます。  そのための自己分析は、自分に焦点をあてて自分がどんな人間か、どうありたいのか、必死で向き合って、紙に書き出しました。  そんな自己分析をしてからの不採用通知というのは、自分を全否定されるようで悔しくてつらくて、行き場がなくて、暗澹たる思いで突き落とされる気がします。  就職の決まらない二人が、月の光の中組体操をするのは幻想的で、まだ、このはっきりとしないぬるま湯の中で漂っているような危うさと、ワクワクするような楽しさが同居しているようです。  でも、それが穂乃ちゃんの一言で月明かりもその場を包んでいた幻想的な空気も取り払い、一瞬で現実が現れたような気がしました。  子供に留まることはできない。  そんな切なさをヒシヒシと感じました。
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さくさん レビュー嬉しいです! この話にはコロナ禍の現在は反映させませんでしたが、このコロナ禍で若者を取り巻く実態というのは、もっと厳しいのではないかと思います。 こんなに甘えたふたりが存在する余地があるのかな?なんてことも思いながら…… 大人になりきれず子どもでもない存在の揺らぎを書いてみたいと思いました。 そのときはありふれていた物事が、後になってから二度と戻って来ないと気付くような。 さくさんが触れてくださったように、「自己分析」で初めて自分にも社会にも向き合わなくてはならなくなるんですよね。 作品の中の未熟なふたりを見守ってくださるかのような、青春を失っていく切なさを一緒に味わ
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sassy様 こんばんは。 体調不良がひどくて、一日ベッドから離れられなかったんで、変な時間に起きてしまってます。  大学四年生のときの、あの不安だったり、まだここに留まっていたい、甘えていたい、という感情を強く呼び覚まされました。  でも、今もあまり変わってないかもしれません。    最初のパーマを必死で落とす姿も、最後の終わり方もすごく余韻があって好きです。  
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