潜水艦7号

私たちは何も知らない
私たちはあまりにも戦史を知らない。そう実感せざるを得ません。この作品を読んで、痛切にそう感じました。 特に太平洋での海戦においては戦国時代のようにメディアで詳しく語られる機会も少ないですし、学校の授業ではWW2すら、3学期で辿り着きませんでした。 まさに、隠された歴史なのです。 決して、戦争そのものを賛美する訳ではありません。 でも、歴史として起きた事は戦国時代の合戦と同様の事実であり、それは決して消えることではありません。では、私たちはどうあるべきか。 それは「知る」事だと。学ぶことで、何を戒めとしなくてはならないのかを、知らなくてはなりません。そうでなければ、また同じ過ちを下すことにもなりかねないのですから。 米軍との決戦を図上で検討した結果、日本軍の劣勢が明らかとなるも「そういう結果はよろしくない」というポリコレによって「大丈夫」という真逆の判断が下されて大きな犠牲が出たりする姿は、現代社会にも通じるものがあります。 善悪という枠ではなく、役目として誕生してその生涯を閉じた悲運の戦艦「大和」に、ひとりの日本人として深く敬意を捧げたいと。 そう深い感銘を受けさせられる作品です。 そして是非、ラストページの絵を見て欲しいです。 それまでに綴られた悲しい日々との対比が、見事に凝縮された一枚となっています。 連載が終わったのは残念でなりませんが、こうした新たな視点を頂けた事は感謝の念に絶えません。 本当に、ありがとうございました。
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潜水艦7号さん、お気持ちのこもったレビューに感謝です。 仰る通り、第二次世界大戦…特に太平洋戦争については、学校で教わる事はほとんどありません。真珠湾攻撃と原爆投下ぐらいです。 現代日本、そして自分達の今の生活に、最も大きく影響している歴史案件でありながら、日本とアメリカが戦争をした事すら知らない若い方も多いのが現状です。 見て見ぬふり…というわけではないでしょうが、本当に知らなくてもいいことなのでしょうか。もちろん、知ったところで興味はわかない方もいるでしょう。しかしそれはそれでいいのです。知ったうえで興味を持てないのと、知らないままで通り過ぎるのとは、全くの別物なのですから。 本作は普
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