ふたりのあいだにあるものは
 趣味の登山をたのしむふたりが遭遇した出来事と、それに直面しふたりが立ち向かう困難を、スリリングに感情的に描いた、感動ストーリーです。  主人公と彼が「お父さん」と呼ぶ人物とは、互いを思いやり尊敬し合う関係にありました。登山という趣味を共有しその時間を同じ価値観で楽しむ姿は、読み手にとても清々しくほのあたたかく見えたはずです。  そんな中に起こった事件により彼らは、重大な局面に迎えるのですが、緊張感溢れる描写でハラハラした後に、祈るように最終盤を読み進めたのは、きっと私だけではないと思います。不安で切ない。でも、彼らが祈った「もう少し」の想いはとても清廉で、私達の心を突きました。  感動ストーリーです。ふたりのあいだにあるものこそ、この作品の主題であったのではないでしょうか。  叙述的な仕掛けも敢えて分かりやすく作っていることにも共感。目線を下げた描写と、プロローグ&エピローグにリフレインさせた構成は私好みの作りでもありました。 良作短編小説でした。 ありがとうございました。
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素敵なレビューをありがとうございます! 細かな部分まで読み取り、共感して頂けてとても嬉しく思います( *´艸`)
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