【コメント】個性に温度を感じる物語

近寄れない君と近寄りたい僕

個性に温度を感じる物語

　ある二人の高校生男女が、個性を受容し仲を深める過程を温かく描いた、青春短編小説です。　女の子には、ある能力がありました。「人を寄せ付けない」というその強烈で不思議な個性に、主人公はどんどん惹かれていきます。　仲が深まっていく過程で起こったあるアクシデントがこのお話のクライマックスとなっているのですが、そのシーン、特に最終盤に見せる二人の様子が実に青くてもどかしく、可愛いのです。　この二人が紡いだ関係性は、こうして密やかに物語としてキラリと光る素敵なものです。大切に何度も読み返したい温かい小説でした。

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