吾妻栄子

微笑みの国の裏側
裏社会で生きるしかない不遇な二人。 タイに無知な自分にも楽しめるお話でした。 ヒロインを最初に買う(そして報復的に殺される)のが日本人、愛人にするボスが中華系という設定にアジアの国同士の関係が見えますね。 「香港で歌手になりたい」というヒロインの夢はむろんアジアのショウビズの都としての香港への憧れもあるのでしょうが、タイの寒村出身である不遇から「ここではないどこか」への切望に思えます。 自分が底辺から抜け出られないことをどこかで見越した男主人公の虚無感との対比が哀しいです。 裏社会の人々はもちろん宝物として高額取引されるタイの仏像など作者様の確かな知識に裏打ちされた描写には読み応えがあります。
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吾妻栄子さま コメントありがとうございます。 奥深くて、とても洞察力のある感想に慄いています。 身に余るお言葉、感謝です。
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私も戦前中国の裏社会の話を書いています(ヒロインの偽名も同じ『マリア』)。 ただ、御作のような明確な知識に裏打ちされたものではないですね。 https://estar.jp/novels/21952866
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