夏目もか

楽しさの中にある切なさに胸がぎゅっと苦しくなりました。
別れた恋人を忘れられない高瀬が新年に仲良しの会社の男の先輩・三井さんと初詣にでかけた先でその忘れられない元彼女・架純と再会する。 心から好きな人がある日、自分から離れていってしまったら。まだ架純を好きなゆえに抱えてしまっている高瀬の苦しい胸の内。それが三井さんと楽しげに振る舞うコミカルな会話の中に不意に書かれていることでさらに際立っていて胸がぎゅっと苦しくなりました。 また、第一話のヒロイン・千春は高瀬を一途に思い、ふたりきりの時に想いをかけましたが、高瀬はふたりきりにすらなれず、たくさんの愉しげな初詣客の中で架純を想うしかない。そんな相対する二人の違いに想いを馳せると本当に切ない気持ちになります。 失恋という切ない心情を重たくなく、かつコミカルな会話と魅力的なキャラで大人の恋物語に仕上げている作者様の手腕は素晴らしい。脱帽です。

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