鷹取 はるな

喪われたものの行方
(以下、P10~28までを読んでの感想となります) 私は以前、本作品のP1~9までを拝読し、感想に「当初、蒼生の言葉は文字通り『手探り状態』でフワフワとした、実におぼつかないものでした。しかしページを進めていくに従いしっかりとした、『確たるもの』へと変わっていきます。そこで、指定箇所が終了してしまいました!」と記しました。 「蒼生のその後、お話の行く末が大いに気になります」を述べた、まさにその続きです。 正確には、蒼生の恋人である槇の視点、目線での『語り直し』から始まります。 蒼生のと同じ状況、同じ場面でありながら全く違う描写です。 当たり前です。 恋人同士とはいえ二人は全く違う人間、『一個人』なのですから。 槇の生来の性格なのでしょうか。 『記憶喪失』に陥った恋人の蒼生への槇の態度は、親身そのものです。 その真剣さ故の『想い』の強さは当の本人の蒼生をも不安がらせるほどです。 相当です。 (こんな日々がいつまで続くんだろう。……続けられるんだろう)という槇の独白の、何と痛々しかったことか! 槇の苦悩は一体「いつまで続く」のかと、読んでいるこちらまで伝播し苦しくなってしまいました。 それでもどこか「終わり」を予感していた槇に代わり、視点は蒼生へと移ります。 ここからが本当の、「蒼生のその後、お話の行く末」です。 大変鮮やか、且つ感動的な内容です。 お互いがお互いを思いやり、いたわり合うあまりに敷き詰めていた緩衝材(クッション)が一気に吹っ飛んでしまった感がありました。 ――爽快感すら覚えました。 喪われたと思っていた記憶の行方は、是非ともお読みになって見届けてみてください。
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おおお、素晴らしい感想をありがとうございます。感謝です! こんな妙な話を深く読んでくださって、本当にありがとうございましたm(__)m
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こちらこそ、引き続き感想を書かせて頂きありがとうございます。 ラストは楽しみに取っておいてあります(笑)
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