蓮未るか

人の思いは時代を超えて
幕末に生きたひとりの志士の恋と生き様を描いた物語。主人公の時次郎が会津の脱藩浪士という背景が面白く、一体どうなるのかとわくわくしながら頁を繰りました。 京都を守る志を胸に奮迅するも、斎藤一との思いがけない共闘と、島原という特殊な場所で思いがけなく触れた女の情をきっかけに、時次郎の思いは急変していきます。 置き手紙があるということは、まだおていは島原のどこかにいるのかもしれない。そう思いながらも逃げねばならなかった彼の思いはいかばかりであったことでしょう。 こののち遅からず、おていはもうこの世の者ではなかったのかもしれません。やがて運命に身を任せ、愛しい者をたずね歩く彼自身にも暗雲が立ち始め……。 立場と時代に翻弄された、名もなき人々の切ない生き様。そしてどんな時代にも変わらない人の情を教えてくれる作品でした。
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小花衣さん、ありがとうございます😭 こんなに素晴らしいレビューを頂き、本当に感謝です!

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