蓮未るか

宵待草の悲しみを
遠い未来で悲劇を負った、切ないロボットの物語でした。 はじめは私の理解力が追いつかず、これはいったいどういう世界で、何が起きているのだろう?と手探りでしたが、読み進めて謎が解けていくにつれ、これは大変な名作であることに気が付きました。 未来世界で起きた東日本大震災を彷彿とさせる悲劇のなか、生物が住む場所ではなくなった土地で、何も知らずに働き続けるロボットたち。 りんご農園を守りながら、もう二度と会うことのないマスターを待つコタローが哀しい。 コタローの中に芽生えた心が悲鳴のように書いた最後の文字に、胸がしめつけられます。 意義深い作品をありがとうございました。

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