鷹取 はるな

妹の力
タイトルの妹を「いも」と読むと、古代日本において女性の霊力に関する呪術的信仰を論じた柳田國男の著書名そのままですが、ここは普通に「いもうと」とお読みください。 本作品の主人公にして語り(ツッコミ?)手でもある花蓮ちゃん(敢えてのちゃん付け)は、冒頭から中二にして凄まじいまでの『妹の力』を発揮しています。 情けなくも、グチグチこぼす二才上の兄・亞蓮の泣き言などすっかり覆い尽くす正論マシンガントークの隙間に空手チョップ×2までをも見事にきめてくる、文字通りの『口八丁手八丁』振りです。 『お悩み相談』の対価がパフェ。というのが何ともお可愛らしいですが。 同性の恋人である星哉を怒らせてしまい、気落ちをする亞蓮。 兄の話を聞いている内に花蓮ちゃんの口調が「慇懃無礼に淡々と事実を述べるだけ」から、「実に親身で、心がこもった熱のあるもの」へと変わっていきます。 まさに噛んで含み、教え諭すが如し。 切々と亞蓮に語る花蓮ちゃんの言葉の説得力に、いい年をした大人の私も何度も大きくうなずかされてしまいました。 中二女子だというのに――。 恐るべし、花蓮ちゃん。 『妹の力』という百人力を得た亞蓮のその後は、実際にお読みになってお確かめください。 ラストにはダブルパンチならぬ鮮やかなダブルキックが亞蓮を後ろを押してくれました。 これからも花蓮ちゃんは幾度となく、亞蓮からパフェを『奢られ』続けるのでしょうね・・・・・・ 妹という生き方も大変です。
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素晴らしいご感想ありがとうございます!うれしいです! なんだかんだで、この兄妹は仲が良いのですよね。こんなツッコんだ内容で相談をするくらいには。 (そして相談のたび、奢りのパフェは増えていくw) 迷惑なやつめ!と思いつつ兄のことをよくわかっているし心配している妹なのです。 そんな二人の姿を楽しんでいただけたなら何よりでございます! 本当に、素晴らしいご感想ありがとうございました!

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