【コメント】２時間のサスペンス劇場をじっくり堪能したような読後感

十六年目の再会

２時間のサスペンス劇場をじっくり堪能したような読後感

　過去の恩讐、恩師の殺害、背景に動く政治的な思惑、そして主人公の恋の行方……気になることが盛りだくさんで、ページをめくるのがとても楽しみな作品でした。主人公の志帆はどこまでもまっすぐで凛々しく、その頑張りを応援したくなります。勿論他の人物も十分にキャラクターが立っており、ネタバレなしでのレビューですのであえて詳しくは書けませんが登場人物同士を巡る愛憎を描いた数々のシーンはどれも生々しく、ぐいぐいと引き込む力がありました。そして肝心の事件の真相についてもあーでもない、こーでもないとしっかりと思考を振り回されました。正直真相は予想できなかったですね（笑）読了後はまるで２時間のサスペンス劇場を腰を据えて鑑賞したような感覚になりました。　非常に楽しませていただきました。今後の作者様のご活躍も期待しています。追記「過激表現あり」となっており読み始める際は少し身構えましたが、私としては大きく気になるレベルではなかったです。おそらく幅広い人に楽しんでいただけるかと思います。また体裁の面でも、１ページあたりの文字数が適切で文章が非常にこなれているため非常に読みやすい作品になっています。

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