死神の本懐
 人の命を天に運ぶ「死神」。彼が出会ったのは、お人好しで笑顔が素敵な二十歳の人間の女性。二人は共に暮らすようになり、人間らしい普通の共同生活を送る中で、死神は彼女を通して不思議な何かを感じ始めます。  この物語は、心に隠し秘めた悲しさや侘しさ、切ない気持ちを他者と共有し触れ合った時、生まれたあたたかさ溢れる感情の尊さを気付かせてくれる小説です。  ラストシーンで、私は死神が本当の意味での本懐を遂げたと信じたい、と思いました。ゆるく痺れるような読後感を、今感じています。
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