栄妙子

ありがちの一言に尽きます。 現代の女子学生が幕末にタイムスリップする、この時点で私はウンザリしてしまいました。 それでも読ませて頂きましたが、冒頭が三人称だったのにいきなり一人称に切り替わった時点で、私は完全に読みたいとは思えなくなってしまいました。 なぜなら、こんな幕末へ少女がタイムスリップする一人称の話は、宣伝作品で嫌という程、読んできたからです。 この話の主人公は頭がいいので、ストーリーの進行が早くて助かります。が、絶世の美女と言われても、平成の美少女は幕末から見れば、不健康に痩せた幼い子供にしか見えない事は、当時の美人画や浮世絵をみればおわかり頂けると思います。 神社で倒れた筈の少女が、幕末の甘味処で志士に膝枕されているのも不自然です。 なぜなら、当時の男性が甘味処に入るだけでも勇気がいるのに、しかも女連れで膝枕なんて幕末では常識外れです。 あと、幕末の風景が見えてきません。 少なくとも甘味処にいるのなら、甘い匂いや女性の話し声等を感じる筈です。 せっかく歴史を変えるという壮大なストーリーなので、できれば三人称で書いて頂きたいと思います。 そして、もっと幕末の日常風景を視覚だけでなく、音や匂い等から描いて頂きたいと思います。
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