はるるん

被害者側の終わりなき苦悩と加害者側の自分勝手さを真っ向から描き切った作品
完結おめでとうございます! ラブサスペンスでは有りますが 底辺に流れるものは作者である彩さんの不倫被害者側の 終わる事のない苦しみと、加害者のした側の無自覚な無責任さへの怒りが込められていた作品だと感じました。 良くある不倫妻の復讐ものではありません。 慰謝料払って終わりじゃない、んですよね。そこからが本当の苦しみ。 今更と決めつけるのはいつでも加害者側。 友人がされていた時の苦しみを思い出し操ちゃんの何度もぶり返す苦しみ、 痛みに同調しては一緒に泣いていました。 更にボロボロになって縋った相手が実は夫と共に自分を裏切っていた相手だった時の二重の衝撃。 この敬の浮気相手である桜樹遥という人物の設定がまた物凄く絶妙でお見事としか言いようが無い! そう来たか!と余りの衝撃で嘘でしょ、イヤまさか本当は操ちゃんの味方だよね?と何度も信じられず本性が分かるまでずっと引き摺るほど。 イヤ、見事に騙されました(勝手に) 天晴れです! 敬と対峙してあと一息まで追い詰め慰謝料、仕事を奪っても 桜樹から大金の慰謝料が振り込まれても、それはただの不倫の代償に過ぎず 傷を治すものにはならない。 加害者側は自分は金と仕事を失ったんだからこれ以上何を望む、と言います。 でも心込めて信じて尽くした相手から斬りつけられた傷口はお金では塞がらない。 一度破壊された「信頼」という細胞は二度と再生しない。 痛くも痒くもない加害者にはそれが理解できない。 桜樹の策略の上で2人が幸せに暮らし因果応報を受けていない様も 実にリアルでした。必ず自分たちに返ってくる、ってそれはいつなの?と。 だから操ちゃんの最後の爆弾は最高の因果応報になったと思います! そんな中、陸の存在にどんなに救われた事か。 太陽の様な彼の存在が操ちゃんの凍りついた心を溶かし 背中を押しながらも側で寄り添ってくれる。 かつては陸も深く傷付き絶望を味わった人。 でも闇には堕ちず、自力で自分の出来ることを自分の場所で 信念は曲げずに頑張って生きている人だった。 私も陸に沢山の勇気をもらいました! 願わくばもっと操ちゃんと陸のその後が読みたいです。 2人の空気感が大好きなんです♡ 陸sideや番外編でも良いので2人に会わせて頂けたら嬉しいですヽ(´▽`)/ 「陸探偵事務所の事件簿」も勝手にお待ちしております笑
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