くろこ

人間の欲と本当の幸せを思い知る作品でした
本気で人を愛せない男、敬。 物語の始まり修羅場シーンが無ければ…ヒロインに代わるダークヒーローと思えました。 不幸な生い立ち、子どもの頃から大人の性と金が蠢く底辺社会で生き延びてきた敬。 高い知性と容姿を利点にして身の丈以上のハイソ目指して足掛かり的に世間知らずの令嬢操を愛と言う名の餌で吊り上げてステイタスを手に入れる辺りまではあり得る話だったのに徐々に敬の不倫と不妊で追い詰められて心身共にボロボロになっていく操の痛ましい姿に敬と不倫相手の愛梨を憎らしくジリジリした自分の単純脳を思い知る事になるとは!😵 見事な作者の捻り方!! 悪役敬が主役かと思いきや更なるラスボスの存在に『えっ、嘘!?やられた〜、そうだったのか…』一瞬時が止まる程に驚愕させられました。 優しく良き相談相手で上司の桜樹、見えない秘密、既読したページを行き来して行間に隠されたヒントを探しまくるほど翻弄させられました。 読者の皆さん一体となって謎解きに懸命になったのも面白い現象でした😅 ちらっと出だった過去の操の恋人陸。 復讐編から一変して大きな存在となって陰日向に操の支えとなってメンヘラ寸前の操を救い出し自力で再生していくように導いた厳しくも大きな愛に読んでいて胸が震えました。 アメリカに逃げた二人の男のその先、読む側の判断それぞれ異なるでしょうが桜樹の偏執的な愛は敬を失う恐れで何れ大きな狂気となるのは想像に難くない。 一読者の立場ですが僭越ながら、作者さんの生み出す作品は多様な世界観で読む側を飽きさせない魅力があります。 出会いは『上司に恋しています』からずーっと作品を追いかけてきましたが私にとっては何れも大切に読み返したい宝物です。 次作を心待ちにしています、ありがとうございました‪⸜(*ˊᵕˋ*)⸝‬💕✨
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