桜井清志

猫になれたからこそ、気づいたこと。
一歩引いて見たからわかること。 きっと人生には、そんな大切なことがたくさんあって。 親のあたたかい気持ちも、親友の抱えている、決して普段は見せてはくれない、辛い気持ちも。 それを知ることができないのは、時としてすれ違いを生んでしまいます。 人間だからどうしても、自分の生活圏内で、見て、聞いて、理解しないとわからない。 すれ違いが誤解を招き、やがて深い溝を残してしまって。 多感な年頃だから、よけいにそれは大きくて。 でも、そこで出会った猫。 猫は、それでも、人で居たかった。 人として生きていけることは、幸せなことなんだよって、教えてくれました。 うん。書きながら、涙が出そうだ……。 本作の読みどころは色々あると思いますが、猫として生きる、わずかな時間。それと、再び人として生きることのできた、わずかな時間。 それぞれの思いが交錯するラスト。 そこに、僕は切なくも、とても力強いメッセージを感じました。 いつか、猫側の視点というのも読んでみたいです。 どんな気持ちで、道行く人々を見ていたのだろう。つらい表情も、楽しそうな声も、泣いてる人も、笑ってる人も。 きっと、全てが眩しくて、羨ましくて。 なんか想像するだけで泣けてきますが(´ー`) 久しぶりの村木さんの作品、楽しみにしていた甲斐がありました(^^) タイトルの潔さが、中身を一見違う方向に想像させて、思わぬ感動をもたらしてくれました。 表紙も素敵。 また、これからもぼちぼちやって行きましょう♪ 素敵な作品をありがとうございました(^^)
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桜井さん、うれしい感想ありがとうございます! 今回の作品はメッセージを考えて書いてみました。それだけにエンタメとして面白く書けるか気がかりでしたが、丁寧に読んでもらえてうれしいです(^-^) 幸せというのはあまり実感としてずっと感じることはなく、反対に苦しいことや辛いことはそればかりが浮かんできて、悩み、落ち込んだりすることのほうが多いように思います。苦労を越えた先に成長があり、悩みなどから解放されると、最初こそ安堵し、幸せを感じるものの、その生活にまた慣れるともう幸せを感じなくなる。この繰り返しのような気がします。 主人公はかつて人間だった猫と代わることで、いまある幸せを感じることができま

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