狗夜 凛

色遣いに魅入られました。
読ませていただきました。 あなぐらむさんの文章はいつも洗練されたカッコ良さがあり、淡い感覚の中に匂うような色気があるんですよね。 この『櫻の雨』は、序文からして素敵感が満載で、私の感覚的には薄くぼやけた回想の中に、写真の鮮やかさが色濃く入り、まるで陰と陽を分けるがごとく色が使い分けられていました。 彼女の抱えたものは推測するしかありませんが、何らかの悲しみを宿しているように感じます。 それを桜と風になぞらえ、物語を動かしていく筆力の高さ、センスの良さ、そして不要な場面を描かない潔さが、滲むように心に沁みてきて、切ない結末ながら良いお話だったと胸が熱くなりました。 ものの見方や感性が非凡で、文章も読みやすく美しく、比喩の一つからも奥深さを感じる素敵な作家さんだと思います。 きっと多くの傷を越えてこられたんだろうと思うほどに、小説の味わいが増すあなぐらむさんの作風は、なかなか真似できません。 もっと素敵な世界を見せてほしいです。 私も精いっぱい応援したい。 さらなる傑作が生み出される未来に確信を持ちながら、この作品の感想とさせていただきます。
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丁寧な感想、恐れ入ります。読み込んで頂いて、ありがとうございます。 少し、と書きましたが、かなり実体験が入ってまして、その回想のような所があります。なので、それを言葉にしていった感じでした。 ネットで文章を書こうと思った時に、このエピソードがすんなりと出た感じです。 こちらはちゃんとした読者ではなく、お恥ずかしい限りですが、少しずつ、書いていきたいです。今後とも、よろしくお願いします。
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