たすう存在

エモい
右衛門作だけにエモい。 作者がマチさんなので、エロいでないのが不思議でしたが、大変エモい作品でございました。 天草四郎と島原の乱の名前ぐらいは知っていても、山田右衛門作という南蛮絵師のことは初めて知りました。そもそも南蛮絵師という言葉も初耳です。 キリシタンから転んで、晩年に踏み絵を制作する目明しとなるなんて壮絶な生涯ですね。 実際の天草四郎への想いや関わり方がどうだったのかはわかりませんが、この作品を読むと、ここで描かれた情念は本当にそうだったように思えてきます。 優れた物語は史実を軽々と凌駕します。 例えば現在世間に浸透している新選組像は、司馬遼太郎の描いた物語に寄るものです。それまでは京都の町で好き勝手暴れていた田舎者というのが世間の認識だったそうです。 本作で初めて山田右衛門作という人物を知った僕からすれば、もうここに描かれた天草四郎と山田右衛門作の関係が真実です。 仏教では許される衆道がキリスト教では禁忌となりますし、本作のせいでこのあたりの考察も捗ってしまいそうです。 マチさんには、大河小説として山田右衛門作の生涯を描き続ける義務が生じたと思うのは僕だけではないでしょう。 たぶん八雲さんとか、あとユウさんも全面協力してくれると思いますので頑張ってください。 というか、イベントの縛りとかあることを忘れてふつうにめっちゃ面白かったです。ありがとうございました。
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