狗夜 凛

凝縮された大人の世界!
私はキリンジというアーティストも、「エイリアンズ」という楽曲も知りませんでした。 この作品を読む前に、Youtubeで楽曲を聴き、歌詞も読んでから、小説を開きました。 楽曲は、私がイメージしているあなぐらむさんのお人柄にぴったりマッチしていて、こういう曲を好む方だから、こういう世界がお好きなんだろうと想像し、すごく納得できました。 あなぐらむさんには、本当に酸いも甘いも越えてきた大人の包容力みたいなものを感じていたからです。 さて、小説に関してですが、楽曲「エイリアンズ」の雰囲気や歌詞を出しつつも、そこには若い女の子と主人公の淡い絆が描かれていました。 フィギュアスケートの選手のようにお辞儀をするシーンは非常に印象的で、それでいて実に不可思議な空気感を醸し出し、その後にすぐ彼女と出会えなかったことも、二人が関係を構築するための空白として絶妙な「匂い」を放っていました。 大人の男性と、秘密のヴェールに包まれた女の子が、これからどうなるのかは分かりません。 男女の交わりがあるのか、友人としてか、はたまた挨拶する程度の関係に落ち着くのか。ですが、たとえどう変化しようとも、確実にあった「この夜の出来事」は、二人にとって大切なものになるだろうと確信しています。 あなぐらむさんの世界観は本当に奥が深く、そこはかとない切なさが滲み出ていて、非常に分かりやすい幼稚な愛や恋ではない、複雑な思いを絡めたドラマに仕上がっています。 私はファンの一人として、ずっと応援していきたいし、世に広め、埋もれさせてはならない稀有なこの空気感を多くの方に知ってほしいと思っています。 今回の「エイリアンズ」は掌編でしたが、すさまじいポテンシャルを兼ね備えており、機会があれば、大人の恋愛小説として読んでみたいです。 本当に素晴らしかった。 また一つ、私の中に大事な物語が生まれました。 これからも新作を書き続けてほしいです。 どうぞお身体に気をつけて、執筆活動がんばってください。
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感想ありがとうございます。嬉しいです。楽曲も聞いて頂いてとの事で、感謝です。 知人には受けの良かった話ですが、こちらでは殆ど読んでもらえず、残念な思いをしていたものです。 女の子のお礼をする素振りは、何と言うか優雅に見えるかな、と「ショーウィンドーの女」でも似たような事をしています。 自宅から見える風景を物語に落とし込むという事で書いた話で、緊急事態宣言の頃に思いついたものでした。 よく、自分が書く話は物語が始まる前に終わっていると言われますが、映画的でよいかなと考えています。余白を残す、というか。 散漫な文章になり恐縮ですが、本当にいつもありがとうございます。勇気になります。 これか
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