鷹取 はるな

大あらしの予感
(以下、P1~2までを読んでの感想となります) P1に記された本作品の世界観の緻密さと隙の無さとに、Dom/Subユニバースの名称にあるユニバース、つまり世界を覆う堅牢な『理性』の檻を見た心持ちが致しました。 ダイナミクスという名の『本能』を制御(コントロール)し、世界の秩序を保つためには斯くも様々な規律を取り決め、守らねばならない――。 本作品の主人公であるDomの眞神はその檻を管理する側、警察機構に所属しています。 あらすじにもあるように、気になっていたSubの小鳥遊を「Domにからまれていたところを助けた」まではギリギリ仕事の範疇だったのでしょう。 その後の「一夜を共に」は完全に埒外、眞神にとっては想定外だったはずです。 人よりも強いDomとしての本能を小鳥遊に刺激され、翻弄されて戸惑う様子がありありと描かれています。 この場面で私は、シェイクスピアの『テンペスト(大あらし)』の「どれほど固い誓いも、情欲の焔(ほむら)にかかれば藁しべ同然だ」というセリフを思い起こしました。 小鳥遊の情欲の焔を煽り、堅固だったはずの眞神の職業意識を藁しべの如く焼き尽くしたきっかけは間違いなく『酒』です。 冒頭にて小鳥遊は、揃いも揃って「甘くて飲み口が良いが、アルコール度数は高い」カクテルばかりを飲み干しています。 それはただ単純に「味が好きで飲みやすいから」だったのか、それとも全く別の理由があったのか・・・・・・ 興味が尽きません。 タイトルに冠されている「フレンチコネクション」も又、甘口でアルコール度数が高いカクテルの名前です。 もしかして今後作品中に登場してくるのかと、とても個人的な理由で待ち望んでいるのです。 ――実は、私の誕生日カクテルなのです。 カクテル言葉も調べてみました。 「妄想豊かな不思議の世界の住人」=私でいいとして、本作品ではもう一つの意味の方であってほしいものだと、勝手に願って止みません。
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鷹取はるなさま ご感想ありがとうございます。 特殊な設定にも関わらず、言葉一つ一つに思いを馳せてくださり嬉しいです。 カクテル言葉に目をつけてくださり、わくわくいたしました。 (はるなさまの博識さに新たな視点もあるのだなぁと学ばせていただきました) この2人の出会いは突然でまだはじまったばかりですが、今後、眞神と小鳥遊が愛を求めあいカクテルのように関係を織り成していくでしょう。 はるなさまからのご感想励みになりました。今後の作品への展開へも思いを馳せていただけたら嬉しいです。
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全く個人的な思い入れにとても温かいお言葉を頂き、ありがたい限りです。 実は、たまたま拙作に「ゴッドファーザー」というカクテルを登場させたばかりで、ベース違いの「フレンチコネクション」も知っていただけなのです。 この様な素敵な偶然に、勝手にうれしくなってしまいました。 素晴らしい作品をご紹介して頂き、こちらこそどうもありがとうございました。

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