鷹取 はるな

けして、捨て去ることが出来ない手札。
(以下、P8~12までを読んでの感想となります) 孔雀はその羽根のきらびやかさ故に、中世ヨーロッパでキリスト教の七つの大罪の一つ、『傲慢』の象徴とされていました。 美しい羽根を見せつけるかの如く大きく広げる有り様が、『自己顕示欲が強い』と見做されていたそうです。 実際に孔雀が傲慢であるか否かはさておき、羽根を広げるのはオスの求愛行動です。 そのものズバリ、『ディスプレイ(誇示)』と呼ばれています。 メスに対して、「こんなに目立っていても生き残っている自分は強いオスなんですよ!」と喧伝(アピール)しているという説もあります(『ハンディキャップ理論』と呼ばれています) ――そんな『孔雀』を逆さまに綴る名前を持つ『雀孔(ジャック)』の生き方も又、孔雀とは全く逆さまです。 「目立たないように、底辺でどうにかして生き抜いている弱いオス」です。 もちろん、周囲にアピールなど一切していません。 しかしオッサンは、オッサンだけは何故だか惹きつけられしまったのです。 最後まで読ませて頂いたのにもかかわらず、私には二人の出逢いが、ほんの短い間の付き合いがよかったのか悪かったのか、分かりませんでした。 本文中にはトランプや、それに関する内容が登場します。 『ジャック』という名前も又、それにちなんだものなのかも知れないと、勝手に思いました。  ――人生はトランプでの遊び、ゲームの様に最後に残された手札だけを見たままで、単純に勝ち負けを決められるものではありません。 ただ、オッサンはともかくとして、ジャックはこれからもどんな札が回って来ようと今までと同じ様に受け取るのではないだろうか――。 そして、それを自分の手札として受け入れ、いずれは『切り札』へと変じるのではないだろうか――。 そんな、勝負には「弱いが故の強さ」をラストの彼から感じることが出来ました。 それが唯一の希望であり、救いでもありました。
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再び素敵な感想ありがとうございます😭✨ 孔雀について詳しくなれた……なんて勉強になる感想なんだ(*´▽`*) "目立たないように、底辺でどうにかして生き抜いている弱いオス"という表現が「まさにそれ!」って感じで興奮しました(*゚∀゚)=3 ジャックは根はいいヤツそうですねど、したたかなのでいつかは一発逆転を……!! この度は二度にわたり拙作へ感想をありがとうございましたm(_ _)m
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そう言って頂けて、ありがたい限りです。 ネタバレをしないようにすると、ジャックメインになってしまいました。 『したたか』とは『強か』と書くので、ジャックなら必ずやそうなるかと。 しまった! そう、感想に記せばよかったですね(∀`*ゞ)テヘッ 是非とも又、ご来店くださいませ。 お待ちしております<(_ _)>
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