水城

たとえ中身のすべてを忘れたとしても、与えられた衝撃だけは忘れられない話
読み終えてすぐ、もう何も考えずに感想を書いてしまっています。 自分の書いたものを考えたり見直したりしたら、もうお送りせずに消してしまいそうなので。 殴り倒されるような衝撃の話でした。 ジャンルがミステリなのかBLなのか、文藝なのか…。 そんなものは、このお話を実際に書き上げられた作者様に、一読者が「どうのこうの」と言えることではないと思いました。 こんな話を書かれたのですから。 「これ」が何なのか、そんなモノ、ご本人がとっくにご存じですよね、きっと。 そうなんです。 最初、これは「BL」とカテゴライズしていいのか…? と思いつつ読み進みました。 でも残り半分をすぎたところで、「これはBL」と、心底納得しそうになり……最後直前に、またガタンとひっくり返され、そして。 「最後のひとこと」で、ズトンと「BL」に引き戻されました。 謎という意味で言えば、ある程度のところで「予測がつく」なんてことを、「ミステリの手練れ」ならば感じるのかもしれません。 そもそも「どんでん返し」自体は、これほどのストーリを紡ぐ作者様なら、実はもう、どうとでもなったでしょう。 でも、この「衝撃」。 それを与えることができるのは、張り詰め切った一人称で一気に語られた筆力があればこそだと。殴られた頭がまだ痺れています。 一気に、一ページで読ませる形。 集中力をとぎれさせず、ひといきに読み通す快楽でした。 全くたとえはおかしいとは思いますが、ずっと昔に見た「90分ワンカット」の映画の記憶がよみがえりました(あ、でも、違う、やっぱり) なんだか…… もう、何を書いても、このお話の迫力の前では、上滑りしてしまいます。 こんな素晴らしい作品を読めて、本当に幸福でした。 ありがとうございました。 ****BLとしては もう、兄弟にNTRに、SMと。ツボ万歳で。 そもそも内容を忘れようにも忘れられないと思います。 たいへんご馳走様でした。
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返信大変長らくお待たせしてすいません、とても洞察力に富んだご感想ありがとうございました!作者自身「なるほど……」と唸らされる素晴らしい考察をたくさんいただき、作品への理解が深まりました。 ジャンルは一応BLに設定してますが、ミステリー・サスペンス・サイコホラーのボーダレスを目指しました。読者さまにご自由に解釈していただくのが狙いです。 最後の一言は(執着)極まっちゃってますよね……!ヤンデレ攻めの面目躍如ができたら幸いです。 ページはエブリスタでの読みやすさを踏まえて何回か分けようか悩んだのですが、一気読みできてよかった、と言っていただけて救われました。どこで切ったら良いか悩ましいので……。

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