二瀬幸三郎

これは過去を探し、そして前に進むための探索……
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 果敢にも迷宮へと挑む冒険者…… その中には華やかに活躍する者たちがいる一方で、志半ばで命を落とす者たちも多い…… 主人公アオの店は、命を落とした冒険者たち、その存在の「証」と云える〈タグ〉を回収することを生業とするもの…… そんな店に、父のタグを探しに来た少女レナが訪れることから物語は始まりますが…… 迷宮など、未踏の地に挑んだものは、その中で命を落としたとしても(ほかの生存者がいなければ)誰にも知られることなく朽ち果て、残された者たちに晴れることなき心労を重ねていく一方…… このお店はそんな人々が抱えたままの「止まった時計」、その針を動かすためのきっかけを与えるところ…… 「悲しき現実」とともに…… やがて、レナも冒険者となり、アオとともにタグ回収に挑むことになるのですが、そんな彼の「時計」もまた、止まっていることを知るのです…… ファンタジーの冒険ものは勇者たちの派手な活躍が書かれることが多いのですが、この物語はあまり顧みられることのない人々に目を向けた良作と言えると思います…… 物語のテーマのとおり、派手な戦闘などはありませんが、これもまた、ファンタジーのもつ一つの形であると感じました。 素晴らしい物語をありがとうございます♪ 余談ですが…… 昔に動かしていたRPG〈ウィザードリィ〉シリーズで、遭難したパーティを救出するために別の冒険者で探索していたことを思い出しました(こちらは遺体を回収して蘇生させることが目的でしたが……
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レビューありがとうございます❗ 嬉しいお言葉を頂き、感激です。 止まった時計に例える点、流石ですね。
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