ひとりの"マジメ"な教師の苦しみ
 主人公といっていい1人の教師(ハルさん)の正直な心・思考の記述が大半を占めており、その一色ならざる人間性がかなり表現されているよう感じました。  "まるで血の通っていない"指導要領によってまず目指されるべき教師の思想からはある程度距離を置いたドライな考察をしている一方で、数多の生徒がいる中での1人の女子生徒(アキ)との深入りした時間を切欠にして「無力な教師」であることに悩み苦しむ、ある種の真面目さ・誠実さが垣間見えます。  日本国民であれば誰もが先生との関わりを持つことになる身近な職種かもしれないけども、それは深入りしてたらキリが無く或いは大人として妥協を選ばざるをえない、その上で他者を導けと言われるえげつなく困難な職なのだと伝えてくれる超良作です。先生に学業限らず何かを教えてもらった、進路などのアドバイスをくれた、たわいない話の相手をしてくれた、そんな想い出が結構あるので、その数だけあの先生たちに感謝をしなきゃいけない……そう思い至りました。
1件・1件
まず、拙作を読んで頂いたことに感謝です。そして、内容以上に素敵な感想をありがとうございます。 もっと粋で、明るくて、さっぱりした話や人間模様を書こうと筆を取ったのですが、書いているうちにハルが勝手にウジウジ考え始めてしまいました。
1件

/1ページ

1件