鷹取 はるな

自分と同じようには愛せない
作者様からのご依頼のコメントに『男同士のくそでか感情』という一文が記されていました。 聞き覚えはあるものの、ちゃんとした意味を知らなかったのでピクシブ百科にて調べてみました。 『くそでか感情』とは恋愛感情に限らず、友愛・忠誠・憧憬・親愛などであって一般的には『重い』と感じられる想いを指すようです。 ――なるほど、「BL判定する」と仰った作者様のお言葉に大いにうなずきました。 しかし、私には『男同士』のもう一人の方がどうしても見えてきませんでした。 香川康太が恋する女性の桜に対して語りに語っている江藤一の姿が、いくら目を凝らしてみてもどうにも姿を現さない・・・・・・ 康太少年があれ程までに言葉を尽くし、時に熱っぽく時に客観的に語っている憧れの存在である一が到底実在している人間だとは到底信じられませんでした。 そこで、私なりに仮説を立ててみました。 江藤一とは、香川康太が自分の中に創り出した全く架空の『憧れの存在』ではなかったのではないだろうか。 年上の桜に、幼い自分はまるで釣り合わない。 だったら、最愛の女性の隣には相応しい最高の男性を並ばせるべきだ――。 そう、康太少年は思い至ったのではないだろうか。 彼が一に行われた数々の言動全てが自分自身へと向けたものであったと考えると、私的には納得がいきます。 本作品を読了して真っ先に思い浮かんだのは、まるで深さが知れない暗い暗い谷底です。 それは彼、康太少年の自我の深さであり暗さであったのではないかと私は考えます。 新約聖書においては『隣人を自分と同じように愛せよ』という教えが語られています。 康太少年には隣に住む桜姉さんを愛する前に先ず、自分自身を大切にし愛してほしかったと切に思って止みません。 曲解を失礼致しました。
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丁寧な感想、考察本当にありがとうございます。 この作品の3人はある漫画のキャラクターをモデルに私の性癖を存分に混ぜて設定を練り上げながら作り上げた子達です。 初期の頃二次創作としてキャラクターを動かしていた時の構図に近しい考察もあり、とてもゾクゾクし、面白かったです。 改めて本当にありがとうございました。
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わざわざありがとうございます。 そう言って頂けて、ありがたい限りです。 全くの的外れではなくて安心致しました。 こちらこそ素晴らしい作品をご紹介頂いて、どうもありがとうございました<(_ _)>
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