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小池正浩
小池正浩
2022/5/29 12:34
ときおり偶発的に出逢う、というか、衝動的に惹かれるという体験があって、それは作品タイトルからしてすでにあらわれている言葉のセンス、作中自由に縦横無尽にあふれでる独特な単語のチョイスや文章の組み立て組み合わせの羅列だったりするわけですが、直近の出来事でいえば、屋島司さんの
https://estar.jp/novels/25957903
がまさにそう。「耳を狩る」って、しかもそれが「少女」って──初見で射たれましたね。一読してさらに衝撃。言の葉の乱れ撃ち、という比喩が不穏当なら、リリックの乱反射、言語表現のプリズムとでも言い換えてもいいですが、とにかくすばらしい。シンプルにいえば、わけわからんくらいおもしろい。 シュール、難解、意味不明という意味では、そうそう人を容易に寄せつけない長文や小説を書いているという、人後に落ちない妙な自信が満々にあった僕でしたが……超越してる。なんか、凄い。なんか、すごくすがすがしいくらい圧倒的。くらべるものではないし、くらべるのは失礼なんですけどね。これぞ不条理小説、以前から思想的とも思弁的ともいえるような濃密なものを読みたいなあと、また自分でも書きたいなあともおもっていたものの、いたいたいました実際とんでもない能力者=創作者が。 いまだったらクセ強とでもいうのかもしれませんが、そんな安易なカテゴライズやレッテルなんか軽くぶっ飛ばしてしまうほど破壊的で強烈無比な個性と固有性をもつ作品。とくに「赤の人」なんてアナクロでファナティックな隠喩や設定なんか。また、誤字や誤表現とおもわれるものも、計算かミステイクかはともかく、僕の直感的な考え・感想ではおそらく東浩紀のいうデリダの誤配や幽霊とリンクしている印象。しかしいまは一作論じるよりも、同著者のこれまた期待かつ希代のテロリズム小説
https://estar.jp/novels/25975423
の行先と着地点をしかと確認したいところ。 あと、批評だけじゃなくちゃんと自分自身の創作も再開しなきゃならないですしね。ともあれ、べつにちょくせつ関係はないですけど、NUMBER GIRLの『NUM-AMI-DABUTZ』『鉄風 鋭くなって』『U-REI』『SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE』『転校生』『はいから狂い』などの曲が大好物の僕に見すごせるわけないじゃないですか。
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