月光は胸に沁みいる
この世界は、竹取物語の世界と通じているのでしょうか。 ならば月の人は、そのままの姿で地上に降りることは出来ないはずです。 咎人は夜になると、月光を避け、影をつたい歩いてひっそりと生きてきたのかも知れません。 そんな思いを巡らしてしまう、ファンタジィな作品です。 作品世界では月と地上の間に、たしかなつながりがあります。 主人公の「僕」は、あえて月とのつながりを断ちました。 間違いを恐れずに書くならば、主人公はそれによって現実社会を一時的に遠ざけたとも考えられます。 「兄さん」の存在がなければ、家族のない小学生の「僕」は親戚の家へ行くか、施設に預けられるかするでしょうから。 もろくて儚い「兄さん」との絆ですが、それを必死に守ろうとする姿が健気です。 ところでタイトルの「月の咎人」ですが、彼の犯した罪とは何でしょう。 ウサギを連れて来たこと? それとも…… 空想が膨らむお話でした。
1件・1件
はやくもよいち様 お読みいただきありがとうございます。 想像の余地のある物語にしようと考えて書いたので、色々な考察をしていただけてとても嬉しいです。 答えは自分の中に用意してありますが、それを書かないままにすべて読み手の方の想像に委ねたいなと思っております。 色々と思いめぐらせ楽しめるお話になっていたら幸いです。
1件

/1ページ

1件