パラレルワールドあるいはタラレバ
 分岐が連鎖する世界で、些細な出来事がバタフライエフェクトとなり、指数関数的に拡大して、ある結果に繋がります。もし誰それと友人でなければ。同じ地域に居を構えなければ。同じ時期に自治会役員に任命されなければ……言い出せばキリがないほどの分岐の連鎖が、後日運命に結実して自己に返ります。  この作品は、自殺者がたまたま、その地を死に場所に選んだ事で物語として分岐します。突風にあおられて、伏せられたカードが次々にめくられてゆくように、過去が暴露されていく様子は圧巻です。  大仰な舞台や道具など使用せず、ただ日常の中に、これほど濃厚な物語を紡げるのは、ひとえに作者の力量によるものでしょう。
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舞台も登場人物も地味なので、最後まで読んでいただけるか不安に思っておりました。 本作に関しては本当に些細な偶然が積み重なっていろいろ発生するのは、意識してませんでしたが、まさにバタフライエフェクトですね。 最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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